四万十川流域で、本格的にトンボの調査を始めてから早や40年。この間、図らずもトンボたちの変遷を目の当たりにすることとなりました。もちろん、増えたものはほんの一握り、大半は減少したものです。ここではその数例を紹介し、そこから読み取れることについて考えてみます。 |
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ベッコウトンボ♂ |
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ヨシやガマなど、背の高い抽水植物が多く生育する風通しの良い池沼や湿地を好み、現存生息地は全国でも数ヶ所しか残されていません。四万十市では1972年、生息が確認されていた湿地帯が公共事業で埋め立てられ絶滅。また、高知県中央部に存在していたもう一つの生息地でも、やはり公共事業による生息域埋め立てと、草原化などによる環境変化によって1984年に少数個体が目撃されたのを最後に姿を消しています。現在、四国全域でも、その姿を見ることはできません。 |
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