トンボ撮りガイド

8月

ヤンマのお昼寝

マルタンヤンマ♂休止
■ マルタンヤンマ♂休止

うだる昼下がりは、大形ヤンマのお昼寝タイム。マルタンにネアカ、ヤブにカトリ…憧れのヤンマたちが木陰でハネを休めている姿には、幽玄の趣さえ漂っています。ここで、なぜ彼らが林に入るのか考えてみましょう。一般には暑さを避けるためと思われがちですが、気温が高くても曇りがちの日には高い場所に止まっていることが知られています。半面、気温はさほど高くはなくても、晴天続きの日にはひざ下ほどの低所に止まっています。つまり、ヤンマたちを林に誘っているのは気温よりもむしろ、空中湿度の低下の方と推察されるのです。従って、ヤンマのお籠り狙いは、晴天続きで最も空中湿度が乾燥する時間帯がベストです。具体的には、午後12時30分から2時までの90分間。林入り自体は午前10時頃から始まりますが、この時間帯にはまだ警戒心が強く、一旦飛ばしてしまうともう近くに戻ってこないことが大半です。一方昼下がりの時間帯なら、2回までは「びっくり飛び」させても大抵大丈夫、すぐに近くに止まってくれます。ただし、飛ばす度に高い場所に移る傾向はありますが。1秒でも早くヤンマたちの寝姿に出合いたい気持ちは理解できますが、勇気を持って正午を過ぎるまで林探訪を控えること、これがヤンマのお籠り撮影成功の秘訣といえるかもしれません。なお、くれぐれもマムシと熱中症対策をお忘れなく。

  ネアカヨシヤンマ♂休止
ネアカヨシヤンマ♂休止

トンボ撮りガイド


もどる Copyright 公益社団法人 トンボと自然を考える会 All Rights Reserved.