四万十川の魚
トンボ保護区と川魚
どうしてトンボ自然公園に魚がいるの?
「四万十川学遊館あきついお」入館者の多くが抱く疑問です。そのわけを語るには「四万十川学遊館あきついお」の前身「四万十とんぼ自然館」がオープンした1990年まで遡らなければなりません。
この年の夏休み、同館は多くの見学者で大賑わい。休憩室のご意見帳には「トンボにこんな多くの種類があるとは知らなかった」「また来たい」など、感激の声があふれていました。その中に「今度は四万十川の魚が見たい」との要望もありました。仕掛け人の杉村は「しめた!」と思いました。実は、トンボ捕り始めから遅れること2年、小学4年生から川魚の飼育も手がけていたのです。夏休み終了間近のある日、さっそくロビーに90cm水槽を構え、心当たりの水辺から10種類ほどの川魚を集めてきました。前後して四万十川のアカメを扱ったTV番組が全国放送され、「これだ!」ということになり出演されていたアカメ釣り名人から2尾を譲り受け飼育することに。
トンボ自然館ロビーに設置された90cm水槽。 初代?アカメ。右上個体の全長は約50cm。
トンボ自然館ロビーに設置された90cm水槽。
すべてはここから始まった。1990.9.12
初代?アカメ。右上個体の全長は約50cm。
1991.3.24撮影
 さらに、同館の水族館化の動きは全国各地のトンボ愛好家に伝わり、「非難の声」どころか「支援申し込み」の声が続々。実は「ヤゴすくい」も行うトンボ愛好家には魚好きが多く、また独自の情報網を持つ者も少なくないのです。
数年後、同館の多目的室はまるで、どこかの水族館の準備室の様相に。「ここは四万十とんぼ自然館」ならぬ「四万十とんぼ水族館」と揶揄されるほどとなり、行政担当者からは「トンボ博物館なのだから、施設の目的外使用となる魚は減らすよう」との業務命令まで頂く始末。しかし生来の凝り性、一旦燃え上がった情熱の炎はなかなか鎮火しません。
やがて「こんなに魚が集まるんだったら、いっそそのための施設を新設したら?」との声が上がり始めたのです。そして2002年7月、「とんぼ自然館」の隣に「さかな館」がお目見えしました。杉村に対し「もっと大人になれ!」と言っていた周辺の人たちの方が、いつの間にか大人になっていたのです。
とんぼ自然館多目的室。 1991.1.1 とんぼ自然館多目的室。2001.12.6
とんぼ自然館多目的室。 1991.1.1 とんぼ自然館多目的室。2001.12.6


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